書斎2024.09.18
未来印
一見何もない金属面から印字が出現 これぞ日本が誇る精密加工の極地
世界が認める日本のものづくりの水準の高さ。それを知っていても驚かされる製品がある。パソコンやスマホなどに内蔵される超精密電子部品を金型から生産する山梨県大月市の「岩井プレス」が製作した『未来印』がそれである。
きれいに磨かれた金属製の印鑑である。しかし、印面は平らで、そこに文字は見当たらない。では、どうやって使うのか------。一見、外筒と中筒の二重構造だが、中筒も二重構造になっており、本体は外筒、中筒、内筒の三重構造。印を押す際は、後部のダイヤルを時計回りに回す。すると内筒が沈み込み、印面に文字が出現する。緻密な削り出しによる文字は中筒に施されているので、内筒(文字以外の余白部分)が沈むことで、印面に文字が浮かび上がるわけだ。中筒と内筒の隙間はわずか0.0002mm。その隙間は肉眼ではわからず、中筒と内筒の高さが同じなら印面は平らにしか見えない。
まさに精密加工の極みと呼ぶべき印鑑。それを最大6文字まで注文できるサービスをお届けする。
一見すると金属製の円筒。綺麗に磨き上げられた断面は、本体後部のダイヤルを回転させることで文字の余白部分が沈み、文字が浮き出る仕組み。
1. キャップをはずし、印面がフラットな状態で付属の朱肉をムラなくつける。
2. 後部のダイヤル部分を時計回りにゆっくり回して印面の文字を出す。
3. 自重を利用してしっかりした捺印が可能。使用後は印面を平らに戻して、付属のクリーナー布で朱肉を拭き取る。
未来印の本体と、印面を保護するキャップ。
付属品とともに専用の桐箱に収納してお届けする。
職人が微調整を加えながら、無垢のステンレスを精密加工機械で削り出す。仕上げの研磨、組み立てもひとつずつ手作業で行なう。
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