『自動車亭日乗』No.14 2024年11月の印象に残った6台 金子浩久

趣味人コラム
2024.12.24
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・ポルシェ ボクスター

 
 今月の「10年10万kmストーリー」は、ポルシェ ボクスター。ボクスターは初代を11年12万km乗り、現行の718ボクスターをいま乗っているので、オーナーさんと共通の立場から話せることがたくさんあって面白い取材となった。

https://note.com/kanekohirohisa/m/m9fb19d167f3a

・ランドローバー ディフェンダー OCTA

 
 11月16~17日に豊洲で開催されていたランドローバー ディフェンダーのイベント「DESTINATION DEFENDER 2024」の正面入り口に展示されていたディフェンダーの限定車「OCTA」。

 ブラックのルーフにゴールドのボディカラー、ゴールドのオーバーフェンダー、ゴールドに塗られたボンネット先端のDEFENDERのエンブレムが迫力満点だ。
 635馬力もの最高出力、250km/hの最高速度や4.0秒の0-100km/h加速など、オンロード性能に特化したクルマのようにも見えるが、その一方で最大渡河水深がこれまでの90cmから100cmに深まったことからオフロード走破性能も向上している。乗ってみたいものだ。

・ポルシェ 911ターボS

 
 知人のポルシェ911オーナーがもう一台の911それも最強力版のターボSを購入したので見せてもらった。1台目の911は33年間持ち続けている空冷エンジンを搭載したものだから、ガレージに納めるとその大きさや造形の違いが一目瞭然だった。ターボSは10年前の中古とはいえ走行距離も少なく、程度も極上で助手席に乗せてもらっただけでも、その特別な速さと快適性の高さはとても良く体感できた。

・ベントレー 4.5リッター “オールドマザーガン”


 11月23日に行われたクラシックカーイベント「コッパディ東京」には、108台ものエントリーがあって盛況だった。汐留の「イタリア街」からスタートして都心を一周して戻ってくるというコースを走る。中でもベントレー 4.5リッター“Old Mother Gun”(1927年製)は1928年のルマン24時間レースの優勝車そのもの。

 ドライバーの涌井清春氏に東京の街を走った感想を訊ねると、「クラッチの重さがこたえました」とのこと。現代車がたくさん走り、信号や合流なども多い都心の道路で戦前のルマンカーを走らせるのが困難を伴うのは想像に難くない。

・メルセデス・ベンツ G580


 ついに登場したGクラス初のEV(電気自動車)。モーターを4基搭載し、それぞれが4輪を駆動する「Gターン」という他のEVにない機能を備えている。

 システム全体での最高出力は587馬力、最大トルクは1164Nmという値はGクラスシリーズの中で最強。バッテリーは専用フレームの中に収められている。

 乗った瞬間にわかる美点は、エアサスペンションによる乗り心地。荒れた舗装や段差などを空気の層がすべて吸収し消失させている。

 EVならではの圧倒的な加速力と、それに伴う姿勢変化の少なさも印象的。モーターで走る静けさと滑らかさによる特別感を重さと高さが割り増している。軍用車に出自を持つ厳つさと正反対にある運転感覚は、どのGクラスとも違っていて面白い。

・ランボルギーニ テメラリオ


 11月29日に国立競技場で開催されたイベント「ランボルギーニデイ 2024」で日本初公開された「テメラリオ」。

 テメラリオでは新開発の4.0リッターV8ツインターボエンジンにモーターを3基組み合わせ、合計920馬力もの最高出力で4輪を駆動する。0-100km/h加速2.7秒、最高速340km/hという超高性能を誇るスーパーカーだ。 近寄って見てみると、これまでの「ウラカン」とはまた違ったアグレッシブかつ繊細なスタイリングが施されていて、これならばさらに強く眼を惹くことだろう。3基のモーターが4リッターV8と組み合わされ、920馬力を発生する特別の世界とはいったいどんなものなのだろうか。

プロフィール

Hirohisa Kaneko【金子 浩久】
 

モータリングライター。
クルマとクルマを取り巻く人々や出来ごとについての取材執筆を行なっている。
最新刊は『クラシックカー屋一代記』。

https://www.kaneko-hirohisa.com

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