浪漫と感動あふれる宇宙旅行へ

　今、人類の活動領域が地球の外へと広がろうとしている。宇宙開発の最前線で活躍する日本のスタートアップ経営者に、宇宙で暮らす未来を聞いた。

　ispaceは「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界を目指す」宇宙スタートアップ企業です。これまでの宇宙開発の多くは国が主導するものでしたが、生活圏を広げるという目標のために、民間でも参入できる経済圏の確立が大切だと考えています。
　生活圏を広げ、長期的に滞在するためには、人が生きてゆくうえで欠かせない、水などの資源を宇宙で調達できることが必要です。そこで着目したのは、資源を入手できる可能性が高い「月」です。宇宙に行くこと自体は多くの先例がありますが、実際に月面に着陸したデータとなると非常に限られたものしかありません。そのデータを入手するミッションが「HAKUTO-R」です。
　HAKUTO-Rは、ispaceが2024年までに行なう2回の月探査ミッションを統括するプログラム。2023年に民間主導で世界初の月面着陸に挑戦。2024年にはローバー（月面探査車）を搭載し、再び月面探査を目指します。これらは月の情報調査と地球～月間の輸送サービス構築に向けた技術検証を目的としています。私たちはこれまでのミッションで得られた知見を基に、引き続き月を目指して前進を続けます。「HAKUTO-R」の活動にぜひご注目ください。

株式会社ispace
代表取締役CEO＆Founder
袴田 武史さん

子供のころに観た映画に魅了され、宇宙開発を志す。米国・ジョージア工科大学で航空宇宙工学を学び、史上初の民間月面探査プログラムや、民間での宇宙ビジネスを推進中。

2022年12月に打ち上げられた月着陸船。ロケットとの分離後、日本の管制室との安定した通信確立に成功した。

小学館は、出版活動を通して宇宙の魅力や情報を読者の皆様にお届けしてまいりました。それらの人脈や経験を駆使し、民間による日本初の月面探査プログラム「HAKUTO-R」の挑戦を応援しています。