※キャンセル不可・返品不可

《作品紹介》
「ここでブリンクを発動～A journey for the place of trigger～(2024)」
世間ではいわゆる「自粛期間」が明け、移動の制限も以前より緩和された今、これまでの暮らしに戻りつつある。そこで「距離のない距離の移動～A journey between virtual and real～」を制作するきっかけとなった、レストランがあるイタリアローマへと向かった。「距離のない距離の移動～」の制作中、国内のどの店よりもそのレストランのことを検索し、あらゆるメニューや情報を見ていた自分はどうしてもこの店のパスタが食べたかったのである。
数年越しに初めて訪れた場だったが、そこは初めてとは思えない既視感が広がっていた。幾度となくGoogleストリートビューで訪れたその場所は小林の中では既に「来たことのある場所」として認識されていて、(2020)で記述したように、収集する事でその地に根を下ろしていたのである。加えて、ストリートビューには登録されていない、目にする事の出来なかった道を、目の当たりにすることでこれまでの不可視のポイントがクリアになった。
人は日々、毎分毎秒新しい情報を目にしているからこそ、自らが気になったトピックがあればどこまでも深く調べることができ、「見る」「調べる」「訪れる」「食べる」などの生活をすることで、私たちはより強固に深くまで地に根を張ることが可能になった。一度、あの嗅覚・味覚のない生活を経験したからこそ、あのパスタの味を忘れることはない。 本作のタイトル「ここでブリンクを発動～ A journey for the place of trigger～」は、ゲームで使用されるスラングであり瞬間移動を行うスキル全般に用いる「BLINK(ブリンク)、瞬時に、瞬く間に」という意味が由来している。日本と海外、内と外、写真の持つ時間性、いくつもの要素を媒介してブリンクしていく。

《作家プロフィール》
2000 年 福岡県生まれ。2022 年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。
2021 年より GC magazine メンバーとして活動。2022 年より小学館スクウェア写真事業部入社。日常における些細な出来事をきっかけに、ある日突然始まる妄想から一人遊びを行うように写真、音などを用いてインスタレーション作品を制作している。

《受賞歴》
TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD2022 グランプリ
JAPAN PHOTOAWARD vol.10 太田 睦子賞

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