ポスト印象派のフランスの画家、セザンヌは1870年代から、故郷の思い出につながる水浴図を数多く描いてきた。「水浴する人々（大水浴）」は、最晩年に描かれた3枚の水浴図のひとつとしてしられている。描かれた女性たちのさまざまな姿は、自然と調和し、独自の絵画空間で表現されている。繰り返し描き続けられた水浴図のシリーズは、画面構成の研究に情熱を傾けたセザンヌの芸術の集大成ともいえる大作。岩や植物など、自然と一体となった群像として、太い輪郭線で力強く描かれた女性たちの彫刻のような存在感は、セザンヌが長年追求してきた造形的な試みの頂点といえる。そして、その試みはやがてピカソなどに引き継がれ、20世紀美術の新たな潮流を生んだ。

【額装】
額の色は白、茶、ナチュラルを用意。ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてマットに金色のプレートが貼付。壁掛け可能。

【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点（ドット）がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30～50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。

【ポール・セザンヌ（1839-1906）】
南仏エクス＝アン＝プロヴァンスに生まれる。パリで絵の勉強を始め、第１回印象派展に出品してその一員となる。印象派として活躍の後、故郷にもどり新しい絵画の道を探求する。ピカソなど次世代の画家たちに大きな影響を与えたことから「近代絵画の父」とよばれる。