カフェでのワンシーンや軍服の男性など、外国人を描いたポップな図柄の浮世絵による“インテリア浮世絵”をご紹介します。
　選りすぐった浮世絵は、今号で特集した歌川芳虎の「横浜浮世絵」です。維新を迎えて広く外国に開港された横浜は、人も物も文化も芸術も情報も…と、あらゆるものが上陸した地。芳虎にとっても、まさに絵に描きたくなる驚きや面白みにあふれた土地だったのでしょう。人々の「外国のことを知りたい！」という欲求にも応え、芳虎の横浜浮世絵は大ヒットしました。
　数多くの横浜浮世絵のなかから、今回は「外国人物尽」をチョイス。浮世絵版画という技法は変わりませんが、ドレスを着た外国人というだけでなんともポップ！　モダンな洋室の壁でも和室の床の間でも、ご自由にお楽しみください。
　アメリカの軍服かどうかは怪しい…が、絵としては面白みのある作品。ほかの作品と同じ「外国人物尽」シリーズでも、画題の入れ方が異なり、文章もなく、別の版元から出版されたもの。こうしたところからも人気シリーズだったことがうかがえます。