仏像や木彫仏像など、芸術性の高い仏像作品の販売を行なう「MORITA（モリタ）」より、木彫りの季節飾りシリーズの夏の新作が届いた。お盆の時期に登場する「精霊馬（しょうりょううま）」を木彫りで作ったオブジェである。
「精霊馬」はお盆の時期にキュウリとナスを使って作るお供えもののこと。キュウリは馬、ナスは牛を表しており、ご先祖様が極楽浄土と現世を行き来するための乗り物とされている。キュウリで作った馬は迎えの馬で、「足の速い馬に乗って少しでも早く帰ってきてほしい」という思いが込められている。ナスで作った牛は送りの牛で、「お盆が終わり、ご先祖様が帰るときに足の遅い牛に乗って、私たちの思いと共にゆっくりと極楽浄土へ帰れるように」という願いが込められている。
　木彫りでできた精霊馬は、迎えの馬（キュウリ）と送りの牛（ナス）のセットでお届けする。リアルなサイズ感や造形にこだわり、キュウリのトゲ（イボ）やナスのヘタといった細部まで丁寧に表現されている。前脚と後ろ脚に見立てた4本の脚は簡易的な割り箸ではなく、「おがら」を模した造形である。おがらは麻の茎を剥いで乾燥させた麻殻（あさがら）のことで、仏教ではおがらの煙が天界の霊を現世に降ろすと信じられ、精霊馬の脚の素材にふさわしいとされるのだという。飾り方は地域や宗教、各家庭の習慣によりさまざまあるようだが、仏壇の前に置く盆棚や台の上に飾るのが一般的だ。代表的な3つの例をサブ写真にてご紹介する。
彩色は木の素材感が伝わる淡彩色仕上げで、暖かな温もりが上質な工芸品のよう。木製のため暑い季節にお供えしても傷む心配がなく、繰り返し使用できるのも魅力だ。同シリーズの『木彫りお月見団子』も別途ご紹介。お盆にセットでお供えしてみてはいかが。