本作はレオナルド・ダ・ヴィンチの最も神秘的で複雑な作品の1つ。ダ・ヴィンチの大規模な絵画作品の1つが生き残った珍しいものであり、彼がイタリアの絵画を変革した多くの技術と革新が見られる重要な作品だ。

本作は、ミラノの「無原罪の御宿り」信心会の依頼を受けて描いたサン・フランチェスコ・グランデ聖堂の祭壇画。
「無原罪の御宿り」とは、聖母マリアが「神の恵みの特別なはからいによって、母アンナの胎内に宿った時から原罪を免れていた」とする、カトリック教会における教義。その教えを示す図像を依頼されたものの、そのテーマは非常に新しいため、標準的な方法がなく、ダ・ヴィンチに新しい構図を作成する自由を与えられた。
彼は「聖母子と洗礼者ヨハネ」のモチーフを描いた。ユダヤの王ヘロデの幼児虐殺を避け、エジプトに逃れていたキリスト一家がパレスチナに帰る途中、洗礼者聖ヨハネと洞窟で出会う場面だ。
一番高い位置に聖母を、一番低い位置にあぐらをする幼子キリストが描かれる。聖母マリアが抱き寄せるのは幼い洗礼者聖ヨハネ。画面右の幼いキリストを支えるように手をあてているのが大天使ガブリエル（またはウリエルともいわれている）。全員がひざまずいて幼児のキリストを崇拝し、キリストは手を挙げて彼らを祝福する。また、画家は世界の創造者だと考えていたダ・ヴィンチは、常に観察とスケッチを怠らず、自然の風景をリアルに再現するとともに、それらを自らの心の目と組み合わせ、神秘的な岩窟、水面、岩塊、遠方に見える山という誰も見たことのない世界を創出した。

【額装】
額の色は白、茶、ナチュラルを用意。ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてマットに金色のプレートが貼付。壁掛け可能。

【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点（ドット）がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30～50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。

【レオナルド・ダ・ヴィンチ（1452-1519）】
ルネサンス期の芸術・自然科学に秀でた「万能の人」。フィレンツェ近郊ヴィンチ村に生まれ、幼い頃から画才を発揮。絵画・建築・彫刻をはじめ、解剖学など広い分野にわたる膨大な数のスケッチ、素描などを残した。様々な技法を生み出し、同時代の画家はもちろん、後世の画家に絶大な影響を与えた。