1880年頃、ゴーガンはパリで株式仲買人として活躍していたときに、ポール・セザンヌの6枚の絵画を購入。そのうち「Still Life with Compotier, Glass and Apple （コンポティエ、グラス、りんごのある静物）」（1879-80年、ニューヨーク近代美術館所蔵）」が特にお気に入りだった。1883年にデンマーク人の妻と別れ、コレクションのほとんどをコペンハーゲンに残したときでさえ、この絵はパリに持ち帰り、晩年お金に困窮するまではそれを売ることを拒否したほどだ。
ゴーガンの本作は、その絵へのオマージュであり、果物、陶器、しわくちゃのテーブルクロス、右下のナイフなど、その要素を多く取り入れている。遠近法もセザンヌの作品を彷彿とさせる。この頃から使い始めたゴーガンの特徴的なサイン「PGo」は、左下に逆さまに配置されている。これには明白な理由はないが、おそらくゴーギャンはそれがテーブルトップに刻まれているように見せることを意図していたと言われる。
ゴーガンのセザンヌへの尊敬の意がこもった、とっておきの本作を眺めてみて欲しい。

【額装】
額の色は白、茶、ナチュラルを用意。ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてマットに金色のプレートが貼付。壁掛け可能。

【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点（ドット）がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30～50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。

【ポール・ゴーガン（1848-1903）】
もともと株式仲介人としてパリで働くかたわら、趣味として絵を描き始め印象派展へ参加していたが、フランス経済が金融恐慌に襲われた際に、仲介人の仕事を辞め、画業に専念することになった。
その後パリを離れ、地方で制作する中で「素朴」「原始」「野生」を見いだし、目で見た印象しか表現しないとい見なした印象主義に対し不満を抱いた結果、「主観と客観」、「現実と非現実」、「色彩とフォルム」を統合し、造形的に思想や観念を表現する「総合主義」を確率した。平塗りの原色と太い輪郭線等が用いられるのが特徴。