この作品は、パリ市民のパリ近郊での近代的レジャーを主題に、行楽を楽しむ人々が即興的に描かれた習作。だが、印象主義誕生の契機となった重要な作品となっている。
舞台は、パリの西12kmにある、週末の隠れ家的リゾートとして人気だった、セーヌ川沿いのラ・グルヌイエール。モネはルノワールと翌年のサロンに出品する作品を製作するために出かけ、スケッチを何点も描いた。
当初モネは本作を「悪いスケッチ」と考えたそうだが、習作だからこそ、実験的で大胆な表現となり、結果、本作で印象派の特徴的な画法である「筆触分割」をルノワールとともに確立した。
筆触分割とは、何色かの絵の具を混ぜて新たな色を作るのではなく、画面上に筆触を隣り合うように配置し、それぞれの色が鑑賞者の網膜上で疑似的に混ざって見えるように表現する方法。絵の具は混ぜると濁ってしまい、明るさが失われ、まばゆい陽光に照らされる鮮やかな風景を描けなくなる。そこで色を混ぜずに純色を使用しながら、それ以外の色の表現をどうするかを探求した結果、モネとルノワールはこの技法を感覚的に生み出したのだ。
本作はモネが29歳の時に描いた作品。水面の美しさを探求し続けるモネの変遷を、「睡蓮の池」と並べて眺め、楽しんでほしい。

【額装】
額の色は白、茶、ナチュラルを用意。ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてマットに金色のプレートが貼付。壁掛け可能。

【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点（ドット）がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30～50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。

【クロード・モネ（1840-1926）】
印象派の名称の由来となった作品《印象、日の出》を描いたフランスの画家。刻々と変化する自然、そして近代化する都市の姿を個性豊かな筆致と光に満ちあふれた色彩で表現した。晩年は、自宅の睡蓮の池を主要なモチーフとした。描いた睡蓮の作品は250点余りといわれる。