ファン・ゴッホは、南仏の街アルルを離れ、東に位置する都市・サン＝レミ＝ド＝プロヴァンスの精神療養院に1889年6月、自ら入院する。病室や敷地内から見える糸杉は、「エジプトのオベリスクのような線やプロポーションで美しく、緑は極めて質が高い」と弟のテオに手紙を書くほど魅了され、いくつかのバージョンの「糸杉のある麦畑」をその夏に描いている。
保護者の同伴があれば、病院の敷地外に出ることが許可されたファン・ゴッホは1889年6月下旬に研究として最初のバージョンを描いた（現在は、ニューヨークのメトロポリタン美術館収蔵の作品となっている）。その後数枚描き、再発のため部屋に閉じ込められていた9月に、ロンドン ナショナル・ギャラリー収蔵の本作を描いたのだ。1枚目と同じスケールで、ファン・ゴッホが自身の作品の中でも「最高の夏の風景画の1つである」と判断した最終バージョンとなる。
風景には、黄金の麦畑、背の高い常緑の糸杉、オリーブの茂み、青いアルピーユ山脈の背景など、典型的なプロヴァンスのモチーフが含まれる。すべてが強力なリズミカルなラインと渦巻くブラシストロークで描かれ、ファン・ゴッホが感じた“自然の活力の感覚”を伝えている。
ファン・ゴッホが見た風景を、部屋に飾りたい。

【ロゴ入りアクリル額】
ロンドン ナショナル・ギャラリー公認の証としてロゴがアクリル額にレーザー印刷で刻まれる。壁掛け可能、付属のスタンド棒で自立も可能。

【高品位美術印刷】
画稿はキヤノンが開発した高品位美術印刷技術により高品質・高細に複製。
インクに圧力や熱を加え「微粒子」に変えたうえで、直接紙に噴き付けて印刷しているので網点（ドット）がなく滑らかな印刷面となる手法。
この印刷は30～50年近く変色しない技術から国宝や重要文化財などのレプリカ製作にも応用されており、その品質は高い評価を得る。耐光性・演色性に優れ、高品質を長くお楽しみいただける。

【フィンセント・ファン・ゴッホ（1853-1890）】
印象派と日本の浮世絵の影響を受けて、大胆な筆づかいと明るく激しい色調で独特の世界を確立したポスト印象派のオランダの画家。熱心なキリスト教徒でしられ、画廊や書店員を経て27歳で画家を志す。1888年、南仏で「ひまわり」などの名作を数多く描いた。精神を病み37歳で自らの命を絶つ。わずか10年ほどの画家人生で、800点以上作品を描いた。