ものづくりの街、新潟県燕市でキッチンに関するさまざまな品を企画・販売する、昭和26年創業の「和平フレイズ」。自社ブランド『eNZO』では、調理法に適した素材と形状を追求し、時代が求めるキッチン用品を開発してきた。
　本品は、はじめて鉄鍋を使う方でもあおり調理ができるほど軽量で、フライパンのように扱いやすいのが魅力。軽さと使いやすさ、鉄の強度のバランスが整った秀品である。
　本来の製造工程では、強度を上げるため、最後に槌目模様を施すが、軽量化にこだわった本品は鉄素材が薄く、槌目を打つと歪んでしまう。そこで試作を繰り返してたどりついたのが、形状を作ると同時に槌目を入れる特殊加工で、見事に軽さと強度を両立させた。
「槌目模様が彫り込まれた金型に、素材の鉄板を押し付け、ローラーで薄く引き延ばしながら鍋を成型します。その最中に鉄板が切れないよう、引き延ばす力加減や速度は職人が培った経験をもとに微調整を行ないます。手間をかけた分、期待どおりの品が完成しました」（営業・米津隆太さん）
　鉄は国産で蓄熱性に優れるため、野菜を炒める際も水分が出にくくシャキッと焼ける。底面は平らでIHクッキングヒーターでも使用可能。この鉄鍋を使えば料理が格段においしく仕上がる。