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日本六古窯のひとつである瀬戸焼の中でも、愛知県瀬戸市赤津町で作られる赤津焼は、日本初の施釉陶器を生んだ産地として名高い。赤津焼で現在用いられる釉薬は7種類にものぼり、同地で26代にわたり赤津焼を手がける六兵衛窯では、瀬戸焼で代表的な「織部釉」を使った伝統的な赤津焼を作り続けている。そんな六兵衛窯のロングセラーが、こちらの急須と湯呑。土作りからろくろ成形、絵付け、施釉、本焼成まで、職人がひとつずつ手作業で仕上げる。
「ろくろ成形を担うのは、『神の手』と称されるろくろの達人。昨今では珍しく、本体だけでなく注ぎ口や蓋、持ち手など全パーツをろくろで作った味わい深い佇まいが魅力です」と、本品の企画販売を行なうアイトーの梶田明浩さん。
急須は、注ぎ口の内側に茶こし穴が開いた昔ながらの形状。急須内部の空間が広いため、お湯を注げば茶葉が踊り、茶葉本来の旨みや香りが抽出されやすい。
飲み口が大きく開いた湯呑は、お茶のみならずコーヒーや紅茶を入れたり、ヨーグルトカップとしても使える。どちらにも赤津焼伝統の唐草模様が情緒豊かに描かれ、織部釉の深い緑色が和の趣を添える。使い込むほどに「貫入」と呼ばれる釉薬のひび割れが少しずつ濃くなり、表情を変えていくのもまた一興だ。