【ニッポン産地紀行】まるで素足のような解放感 足の健康を守る足袋型の靴
半世紀以上にわたる競技用の靴作りで培つちかった確かな技術を活かして、足に優しい足袋型を考案。
熟練靴職人の手業が宿る秀品の製造現場を訪ねた。
ラフィートany
昭和25年の創業以来、競技用スポーツシューズのOEMを手がけてきた靴メーカー「岡本製甲」。日々研鑽を重ね、プロ野球選手のスパイクシューズを多数供給するなど、技術開発に励んできた。転換点は、代表・岡本陽一さんが、大学野球部時代の先輩がコーチを務める野球部を訪れたこと。足腰のトレーニング用に足袋のような形のシューズを作ってほしいと頼まれた。そして誕生したのが、自社製品第一号となる母ぼ趾しが独立した足袋シューズだ。元々はトレーニングシューズであったが、「外反母趾によい」と次第に評判が広がり、ウォーキングシューズの製作が始動。これを契機に足袋シューズの自社ブランド『ラフィート』が誕生した。
「ブランドのコンセプトは、“素足のような感覚”で履ける靴。岡山大学スポーツ教育センターと共同開発したことで、足先のすぼまった靴に比べ、足指を圧迫せず、裸足に近い履き心地であると科学的に証明できました」と、岡本さん。
足袋シューズの利点は、足先が広いため足指の自由度が高いこと。指で地面をしっかりとらえられるので歩行が安定する。また、自然と正しい歩行姿勢に導くため、転倒予防や腰痛改善にもつながるという。さらに、足指を使うことで血流が促され、冷えやむくみの改善も期待できる。
「足の形と相反する靴を履いていると、外反母趾など足の疾患の原因になる恐れがあります。足の健康寿命を延ばすためにも、足指を圧迫しにくい足袋シューズを活用してほしいですね」(岡本さん)
「岡本製甲」の工場では、OEMや官公庁の入札案件も手がける確かな技術で足袋シューズを製造している。
生地は、サイズ、パーツごとに異なる抜き型を使用し、裁断していく。後の縫製、吊り込み作業がしやすくなるように、生地が伸びる方向も確認して裁断する。
靴を立体的に縫製するために必要なポストミシンという特殊なミシンを使用。足袋型の股部分の縫製は特に繊細で、力の入れ具合ひとつで履き心地が変わるという。
アッパーとアウトソールを接合する圧着の工程。まずは靴職人が手作業で精密に張り付けを施してから、圧着機を使ってしっかりと接合する。
足袋シューズ『ラフィートany』は、人工皮革を使用したスタイリッシュなデザイン。多少の雨なら柔らかな布で拭けばよいので、手入れも簡単だ。
「履き口は着脱しやすいファスナー開閉仕様で、片足約200g(23cm)と軽量です。低反発のウレタン素材を採用したインソールは履き心地がよく、抗菌・防臭効果も備えています。アウトソールは、適度なクッション性と屈曲性があるので長時間履いても疲れにくいですよ」と、岡本さんは語る。
色は紳士用にブラウンとブラック、婦人用はさらにワインとシルバーを加えた4色を用意した。
特別な木型を使用した靴職人の堅実な靴作り
「岡本製甲」の自社工場では、生地の裁断から縫製、吊り込み、成型、底付けまで、一貫した靴作りが可能だ。足袋シューズを作る木型は、研究から導き出した理想的な足袋形状に、職人が一足ずつ削った独自のものを使用する。
「木型に人工皮革の生地をかぶせる吊り込みは、熟練職人の腕の見せどころです。生地の引っ張り具合で、できあがる靴の美しさが変わります」(岡本さん)
靴職人が真摯に作る足袋シューズは、一度履いたら手放せなくなる快適な履き心地である。
「履き口は着脱しやすいファスナー開閉仕様で、片足約200g(23cm)と軽量です。低反発のウレタン素材を採用したインソールは履き心地がよく、抗菌・防臭効果も備えています。アウトソールは、適度なクッション性と屈曲性があるので長時間履いても疲れにくいですよ」と、岡本さんは語る。
色は紳士用にブラウンとブラック、婦人用はさらにワインとシルバーを加えた4色を用意した。
人工皮革を使用したスタイリッシュなデザインは、ふだん使いやビジネスシーンなど幅広い場面で活躍。コーディネイトにも取り入れやすい。
履き口にファスナーを付けることで、脱ぎ履きの際の煩わしさを払拭。スムーズな足入れが可能だ。
程よい厚みのあるアウトソールは、屈曲性に富み、履き心地のよさを生む。
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