週末2023.11.16

圧倒的な技術力と美意識が生んだ世界の名機たち

たゆまぬ技術革新による優れた機能と、美しいデザインが共存した究極の機能美。
ただ眺めるだけでも開発者たちの情熱を感じ取れるような名機たちを紹介する。

アルミとガラスの筐体が美しい透明な音を奏でるアートなスピーカー

「トランスペアレント」は、最新のデジタル技術を用いて、シンプルで機能的、かつ持続可能なオーディオ製品を製作するスウェーデンの音響機器メーカー。ここに紹介する透明なケースが斬新なスピーカーも、同社が手がけた製品だ。

 アルミニウムフレームに強化ガラスを組み合わせた筐体に、まるで宙に浮いているように2基のスピーカーとウーファーを配置。現代アートのインスタレーションを眺めているかのような本機は、原音を忠実に再生することにこだわり抜いたBluetooth®スピーカーだ。豊かな低音とクリアな中音域、そして鮮明な高音は、録音された音を過不足なくクリアに再現し、ライブハウスで聴いているかのようなリアルな音を楽しむことができる。

 またその構造はすべてモジュール化されており、すべての部品は交換やアップグレード、修理が可能。ワイヤレス規格が新しく更新されても、スピーカー本体は買い換えずそのまま愛用できる。
 加飾を排し、極限までシンプルなデザインを追求したこのスピーカーは、機能美の極みともいえる存在感を放つ。

アルミフレームと強化ガラスで覆われたミニマルな筐体に、スピーカーとウーファーが浮かぶようなデザイン。

アート作品のような美しさを見せる『Hi-Fi Bluetooth®スピーカー』のホワイトバージョン。
スピーカーからウーファー、ケーブルにいたるまでホワイトで統一したデザイン。

ボリュームと高音、低音の調節が可能なコントロールノブで、好みの音質を追求することができる。
他のオーディオ機器と有線で繋つなぐことも可能だ。

「トランスペアレント」は(右から)Magnus Wiberg(マグナス・ウイバーグ、Per Brickstad(パー・ブリツクスタツド)とMartin Willers(マーテイン・ウイラーズ)によって創設されたスウェーデンのオーディオメーカー。

ドイツ空軍パイロットがその生命を託した軍用時計の名作

 第二次世界大戦下のドイツ軍は、高性能な製品しか納入を認めていなかった。その中で、ドイツ空軍に腕時計を納めることを許された数少ない時計メーカーのひとつが、1920年代半ばにドイツで創業した「Laco」である。

 本機は、同社が1940年代に製造を開始し、ドイツ空軍に支給した腕時計の意匠を踏襲しつつ、細部の仕様を改良したモデルだ。特徴的な文字盤は、短針が示す1から12の数字(時間)を内周に、分針と秒針が示す5から55の数字を外周に配置することで、瞬時に時刻がわかるデザイン。また、飛行機の操縦士が手袋をつけたままでもつまみやすい玉ねぎ形の大きなリュウズも、過酷な状況下での操作性を確保することを考慮した形状である。

 無駄のないデザインと高い機能性を備えた、クラフトマンシップを体現した名機である。

ケースや裏蓋は職人が1本ずつスクラッチ。カーフレザー製のベルトにもアンティーク加工が施され、当時の表情を再現している。

ケースサイドには当時の航空計測器の機密記号である「FL23883」が刻まれる。風防のドーム型サファイアガラスもクラシックな雰囲気を醸し出す。

飛行時間や距離などを計測するナビゲーターが着用していた。当時のモデルは直径55mmと本品よりもふた回りほど大きい。

学者や写真家も愛用する双眼鏡の最高峰モデル

 クリスタルのアクセサリーで有名なオーストリアの「スワロフスキー」。じつはバードウォッチ愛好家の間では憧れのブランドである。本品は1949年に光学機器メーカーとして創業したスワロフスキー・オプティックの双眼鏡だ。
 同社が得意とするガラスカットと研磨の技術を活かして製造したコンパクトモデル。自社工場において職人の手によって生産され、その光学性能は世界最高峰と言われる。肉眼と変わらない色で映る像質や、暗がりでも明るく見える性能は秀逸で、世界中の学者やカメラマンにも愛用されている。

折り畳めばポケットに収まるサイズなので、常に携帯することができる。

ネックストラップや収納ケースに加え、接眼レンズキャップも付属する。

肉眼では鳥が羽を休めていることさえ視認しづらい。8倍で鳥の種類がわかるほどに拡大。10倍では鳥の表情もうかがえる。対象物や目的に合わせて8倍・10倍の2種から選ぼう。

※メーカー調べ
※画像はイメージです

ライカの描写性能を堪能できるマルチなカメラ


 ライカの前身である「エルンスト・ライツ」社は、1849年に精密光学機器を製造する光学研究所としてドイツで設立。以来、カメラ界のパイオニアとして品質に妥協を許さない姿勢を貫き、世界中で熱心なファンを獲得。現在の写真規格「35mmフルサイズ」は、ライカがなければ生まれなかったかもしれないといわれる。その写真は「空気をも写す」と称され、ライカのカメラとレンズでしか撮影できない世界をもっている。

 本機『ライカV-LUX5』は、汎用性が高く、活躍のシーンを限定しないコンパクトカメラ。レンズは高性能な大口径レンズを採用する。ズームレンズながら開放値はf2.8~4.0と明るく、描写性能にも優れる。35mm判換算で25~400mm相当という領域をカバー。広角から標準、望遠、マクロ、さらには動画撮影までこなし、アプリとの連携により、撮影した写真を瞬時にスマートフォンに転送することもできる。

 趣味人が多い本誌の読者には、多くのカメラ愛好家が憧れるライカレンズを通した世界を、ぜひとも堪能してほしい。

高精細な約236万ドットの有機EL電子ビューファインダーを搭載。

光学ズームで16倍の超望遠撮影が可能。広角から標準、マクロ撮影も可能など、この1台であらゆるシーンの撮影ができる。

背面の液晶モニターは自在に可動するバリアングル式を採用。

(左:25mm相当、右:400m相当)
35mm判換算で25~400mm相当のズーム域を誇り決定的な瞬間も逃さない。
※35mm判換算

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